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大津・関津遺跡で鎌倉時代の梁発見、水流の一部のみを遮断 中世から資源保護

 旧石器時代から江戸時代の地層を含む関津(せきのつ)遺跡(大津市関津)内の琵琶湖に注ぐ川跡で、アユなど川を遡上(そじょう)する魚を捕った鎌倉時代の「梁(やな)」とみられる漁具がほぼ完全な形で出土し、滋賀県文化財保護協会が9日、発表した。梁漁は現在も琵琶湖周辺で行われ、水の流れを完全にせき止めることが多いが、部分的に流れを遮り魚を捕りすぎないようにしていた。同協会は「中世から湖の資源を守る漁法があったことを示す貴重な事例」としている。
 梁は江戸時代以前のものはほとんど出土した例はなく、同協会によると、中世の梁の出土は全国初。
 今回見つかった漁具は、瀬田川支流の河川跡で出土し、岸辺では鎌倉時代の器(わん)や皿が見つかり年代を特定した。川を遡上する魚を捕まえる「上(のぼ)り梁」とみられ、開口部分は約20メートルの川幅に対し約6メートル。直径10センチ前後の木のくいを数多く川に打ち込んで囲いをつくって強い水流にし、流れに逆らって遡上するアユなどの性質を利用して捕獲。あえて川幅すべてに仕掛けず、自由に魚が通れる部分を残したとみられる。
 琵琶湖水系は現在、漁期を制限することなどで資源を管理、水流の一部のみを遮断する梁漁は少ない。
 中世には琵琶湖水系で捕れたアユは朝廷にも届けられ人気が高い産品だったことから、上下流の漁師が争いを避けるために、当時からあえて捕りすぎない漁法を選択したとみられる。
 現地説明会は12日午前11時から。

中世漁業史に詳しい渡辺誠・名古屋大名誉教授(考古学)の話
 「当時の住民は遡上する魚の性質をよく知り、高度な漁業技術があったということが証明された。現代の梁のルーツになったと考えられ、中世の漁業史解明に向けた貴重な発見だ」

財団法人 滋賀県文化財保護協会
関津遺跡発掘調現地説明会 <3月12日(土)>