産経ニュース
25日、明治創業の名門ホテル「仙台プラザ」閉館

 ホテル仙台プラザ(仙台市青葉区)の青木昌敏社長は7日、記者会見し、今月25日にホテルの営業を終了し、閉館すると発表した。同ホテルは平成19年2月に東京海上ホールディングス(HD)の関連会社に土地と建物を売却。同社から施設を借りるリースバック方式で営業してきたが、賃料をめぐるトラブルが発生。HD側の申し立てにより、銀行口座などが差し押さえられて資金繰りが行き詰まり、営業続行が不可能と判断したという。
 青木社長は「残念な思いでいっぱいだ。営業は順調に進んでいたが、巨大な会社の力により、このような形になった。お客さまに迷惑をかけ、なんとおわびしていいかわからない」と沈痛な面持ちで語った。
 青木社長によると、HDの関連会社がホテル解体後に新しい商業ビルを建設し、その中に入る計画が進んでいたが、リーマン・ショックなどの影響で中止となった。解体を見越して一時、宴会の予約受け付けを見合わせたことも経営圧迫の一因となった。
 賃料滞納をめぐるHD側との協議もこじれて訴訟に発展。HD側の申し立てを受けた仙台地裁の決定により今月初め、現金や債権などが差し押さえられ、「25日までの営業が限界と判断した」(青木社長)という。
 同ホテルによると、閉館により宴会など約400件がキャンセルになる。パートを含む約180人の従業員全員に解雇を通告した。青木社長は「いろいろなところに声がけしながら、再就職先を見つけたい」と語った。
 同ホテルは明治21(1888)年に開業した「陸奥別館青木ホテル」が前身。昭和50年に県庁前に移転し現在のホテル名でオープン。客室は177室。皇族が宿泊したほか、国際会議などにも利用されてきた。

 ■業界に強まる逆風

 仙台市の代表的なランドマークの一つ、ホテル仙台プラザが今月25日に123年の歴史を閉じることになった。「仙台の顔、地元のショックは前原さん(外相辞任)どころじゃない」。経済界からは悲鳴にも似た言葉が聞かれた。
 百万都市・仙台で最も格式が高い地元資本のシティーホテルであり、天皇陛下をはじめVIPが宿泊し、国内外のコンベンション誘致に欠かせない1千人規模の宴会を受け入れられる数少ない施設として、かけがえのない存在でもあった。「コンベンションの誘致に大きな痛手。残念至極」とは仙台観光コンベンション協会の板橋博事務局長。
 仙台市の調査によると、平成21年度の市内の宿泊客数は448万人。7割の約300万人が中心部のホテルを利用している。しかし、中心部のシティーホテルは21年12月に仙台ホテル、22年11月に仙台エクセルホテル東急が相次いで閉館し、逆風が強まるばかりだ。
 ホテルの収益の2本柱は宿泊と宴会・ブライダル。一般的に宿泊の損益分岐点は稼働率65%。ところが、仙台はここ5、6年に宿泊中心の安価なビジネスホテルが相次いで進出し、供給過多とビジネスホテルに有利なネット予約に苦戦している。仙台のブライダルも横浜に次ぐホテルと専門業者の激戦区で、逆風は構造的だ。
 「シティーホテルは都市機能や景観に大切な役割を果たしている。地域に必要とされるよう一層努力したい」と強調するのはホテルメトロポリタン仙台の紺野純一総支配人だ。「地元貢献をしながら自分たちの生きる道を模索したい」とは、これから地元資本で唯一のシティーホテルとなる江陽グランドホテル。ホテル仙台プラザの閉館は業界の地殻変動を見せつけた。

ホテル仙台プラザ - (無料駐車場完備)仙台でのご宿泊は伝統あるホテル仙台プラザへ
Wikipedia : ホテル仙台プラザ