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地元小田原メダカ守れ 市が生息地を保護区指定

 存続が危機的な状況にある野生メダカを守ろうと、神奈川県小田原市は1日、メダカの生息地を保護区に指定した。メダカは国や県のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。同市は県内では唯一の生息地で、童謡「めだかの学校」の舞台にもなっている。市は保護区の指定で、乱獲や外来種放流などを防ぐとともに、保護意識の向上を期待している。
 保護区指定されたのは、酒匂(さかわ)川沿いにある市有地の水路約820メートルの区間。小田原固有の、背中に黒いすじの入った野生メダカが生息している。市民団体や行政が連携して田んぼの生態系に近い状態を再現した「ビオトープ」が設けられている。
 市は地域固有の遺伝子を持ったメダカを保護しようと、平成13年、「市の魚」に指定した。21年度には名称を「小田原メダカ」から「酒匂川水系のメダカ」と変更。掲示板を設置して保護を呼びかけたが、愛好家が無断で水路からメダカを持ち去る例があるほか、外来種の放流行為による遺伝子の交雑も懸念される。指定には、こうした心ない行為を抑止する狙いもある。
 保護区近くでの道路建設がきっかけとなり、市は県や住民、専門家らによる協議会を設置し環境保全に取り組んでいる。11年度から始めた市民の里親制度「メダカのお父さんお母さん制度」には、延べ1330世帯が参加したという。
 こうした取り組みにもかかわらず、市によると野生に生息している数の調査は難しく、客観的データはほとんどないという。市環境保護課は「近年の個体数はほぼ横ばい状態と認識している。保護区指定は減らさないことや、意識向上が目的」と話している。
 地元でメダカの観察会などを行う市民団体「酒匂川水系のメダカと生息地を守る会」の高橋由季代表(37)は「道路建設をきっかけに始めた保護活動。今後も行政と協力して続けていきたい」と話した。

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酒匂川水系のメダカと生息地を守る会