伊勢新聞
新県立博物館の建設地 全国一級の化石群発見

 野呂昭彦知事は二十一日、定例記者会見に臨み、津市上津部田と同市上浜六丁目にまたがる新県立博物館建設地の、ミエゾウが生息していたころの亀山層から、全国一級の化石群が見つかったと発表した。全身骨格を復元して展示するミエゾウが生きていた約三百五十万年前の陸域の生態系を明らかにできると期待している。一カ所で見つかった化石の量や種類の点で全国的にも貴重という。
 亀山層は、津、亀山、鈴鹿市に広く分布する四百万―三百万年前の地層で、ミエゾウの化石が県内十カ所で見つかっている。ミエゾウは高さ四・三メートルだったが、二メートルのアケボノゾウに小型化し、絶滅した。旧芸濃町(現津市)で見つかったので、「三重」の名が入った。鈴鹿川水系の支流、御弊(おんべ)川流域での象の足跡化石の発見をきっかけに、県は平成二十一年度から、御弊川での調査に乗り出している。
 二十六年開館を目指して整備を進めている新県立博物館の建設地の造成をしていた二十二年十二月二十八日、露出した斜面に亀山層が確認できたので調べたところ、ワニの歯やシカのあごの骨、スッポンの甲羅、魚の骨格、タニシなどの化石を発見した。担当者は「化石が出ることは全く予想していなかった」という。これまでに六百十二点の化石を確認。三月中に調査委員会をつくり、四―五月に数日間工事を中断し、調査する予定。
 野呂知事は、「えっ、本当なのという気持ちで、ぜひ見たい思い、ワクワクしながら現場に行って少し見てきた」と話し、「建設地での発見は偶然と言いながら意義深い。チャンスと捉え、子どもたちの夢を膨らませる博物館の建設を進める。ストーリーとしてもさらにワクワクドキドキさせる材料につながる」と喜んだ。
 県文化財保護審議会委員の森勇一金城学院大学講師(環境史学・昆虫生態学)は、ワニの化石やカンボジアに現在生息する昆虫オオミズスマシの化石が見つかったため、当時は熱帯から亜熱帯の環境だったと指摘。「生態系が全部見つかっているので、ミエゾウが生きた環境を生き生きと再現できる」と説明している。

新県立博物館建設地における地層・化石調査の実施 | 三重県
Wikipedia : ミエゾウ