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アマゾン雨林地帯、干ばつでCO2吸収どころか放出=米排出量以上

 英国とブラジルの国際研究チームは3日、昨年の南米アマゾン熱帯雨林地帯の干ばつが及ぼした環境被害は、「100年に一度」といわれた2005年以上に深刻で、米国の一年間の温室効果ガス排出量以上の温暖化効果を及ぼすとの調査論文を米科学誌サイエンスに発表した。
 同調査論文は、05年や昨年のように深刻な干ばつが今後頻発し、世界最大のアマゾン熱帯雨林は二酸化炭素(CO2)を吸収するどころか、逆に放出し、世界の温暖化を加速しかねないと警告した。世界の森林は成長につれてCO2を吸収し、地球を冷やす効果があるが、森林が枯れて腐ると逆にCO2を放出する。
 論文の主要執筆者である英リーズ大学の生態学者サイモン・ルイス氏はロイター通信に対し、「こうした干ばつがしばしば発生すれば、アマゾン熱帯雨林はCO2吸収源から排出源に転化してしまうだろう」と述べた。
 調査論文によると、昨年の干ばつの結果、アマゾン熱帯雨林の116万平方マイル(約300万平方キロ)で降雨不足となり、05年の干ばつ時の73万4000平方マイル(約190万平方キロ)を大幅に上回っている。さらに、05年に死に絶えた森林はアマゾン南西部だけに集中したのに対し、昨年は3つの広い地域で森林が死に絶えた。
 この結果、大気中のCO2を例年15億トン吸収しているアマゾン熱帯林は、昨年と今年の2年間はこれほど吸収できないと予想される。また、枯れたり朽ち果てたりした木々は向こう何年かで50億トンのCO2を放出すると予想される。この結果、昨年の干ばつが影響するCO2の総量は約80億トンと推定されるという。ちなみに、米国が09年に化石燃料消費で放出したCO2は54億トンで、これを上回る規模だ。
 論文は、この2つの干ばつによるCO2放出効果は、アマゾン熱帯雨林が過去10年間で吸収したCO2を恐らく相殺してしまうほどだと推測している。
 昨年の干ばつでアマゾンの主要河川は枯渇し、船舶輸送に依存している多数の住民を孤立させた。また05年の干ばつを「100年に一度の出来事」とみていた研究者らに衝撃を与えた。
 今回の干ばつ影響調査は英リーズ大学、シェフィールド大学、そしてブラジル・アマゾン環境研究所が共同で実施した。

Instituto de Pesquisa Ambiental da Amazônia – IPAM
Secas severas na Amazônia deixam cientistas em alerta – IPAM