紀伊民報
熱帯魚が寒波に悲鳴 凍死120匹漂着

 和歌山県田辺市やその周辺に雪をもたらした寒波の影響で、白浜町臨海の北浜海岸に1月31日と2月1日の2日間で、計34種120匹の熱帯魚が凍死して打ち上がった。同海岸で漂着物の定点観測をしている京都大学瀬戸臨海実験所の久保田信准教授(58)は「前回1月中旬の寒波から続く漂着だが、1度にこれほど大量に漂着するのはこの数年間ではなかった」と驚いている。
 久保田准教授によると、31日に70匹、1日に50匹が、北浜の砂浜(長さ400メートル)に漂着した。最も多かったのはツマジロモンガラで30匹。続いてミノカサゴの12匹だった。紀南地方でおなじみの熱帯魚であるヘラヤガラやウミスズメ、ハリセンボンなどもいたが、普段あまり見掛けないウミテングやキミオコゼ、ネッタイミノカサゴ、カモハラギンポ、ウミヘビの仲間なども確認した。
 現在、元京都大学瀬戸臨海実験所助手の田名瀬英朋さん(68)や京都大学総合博物館の中坊徹次教授(61)と共に小型魚種などの同定を進めており、希少種が見つかる可能性もある。
 同実験所にある京都大学白浜水族館で、海から海水を引き込んでいる水槽で毎朝9時ごろに測定している定時水温によると、前回の寒波(1月16、17日)翌日の18日には12・9度を記録したが、今回は30日に14度だったものが31日には一気に冷え込んで11・8度まで下がっていた。海の水温はさらに低いとみられ、気温の影響を受けやすい沿岸に生息する魚にとっては過酷な環境となっていた。2月1日も12・2度と低いままだった。
 久保田信准教授の話 変温動物の魚にとって低水温がさらに2度も下がることは致命的だ。漂着は幼魚から成魚までサイズもさまざまな熱帯性の魚類がほとんど。付近の浅い岩礁に生息していて、水温低下と強い季節風が起こす波浪から避難できず凍死したのだろう。

京都大学瀬戸臨海実験所
京都大学白浜水族館ホームページ