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藤田嗣治の「乳白色」、ベビーパウダー使っていた 土門拳の撮影した写真分析で判明

 「素晴らしき乳白色」の画面で知られる藤田嗣治(つぐはる)(レオナール・フジタ、1886~1968年)が、日本で絵画を制作していた1940年代、「乳白色」を出すために市販のベビーパウダーを使っていたことが、写真家の土門拳(1909~90年)が撮影した写真の分析などから明らかになった。
 調査したのは、3月19日から「レオナール・フジタ 私のパリ、私のアトリエ」展を開くポーラ美術館(神奈川県箱根町)。藤田は20世紀前半、モディリアーニやユトリロらとともに「エコール・ド・パリ(パリ派)」の画家として活躍した。その代名詞となる「乳白色」の温かみや透明感を出すために、絵画の表面にタルク(滑石)を塗ったことが近年の研究で明らかになっている。
 人生の大半をフランスで送った藤田だが、第二次大戦前後は日本に滞在。1942(昭和17)年ごろに土門がアトリエで撮影した写真に、和光堂の販売しているベビーパウダー「シッカロール」の缶と商品名が写っていた。図録に掲載するために写真を取り寄せて、商品名に気づいたという。
 調査を担当した内呂博之学芸員は「身近な日用品を制作に使っていたようで、柔軟性がうかがえる」と話していた。
 また、同館所蔵作を光学調査したところ、ひび割れしやすいため下地に使ってはいけないとされるジンクホワイト(亜鉛華)を作品の地塗りに使っていたことも分かった。藤田はシルバーホワイト(鉛白)をよく地塗りに使ったが、日本で描かれた「ラ・フォンテーヌ頌」(昭和24年)など2点には、ジンクホワイトが使われていた。物資不足による代用品だったとみられる。
 展覧会は藤田作品71点を展示し、画業を紹介する。
 問い合わせはポーラ美術館(電)0460・84・2111。

Wikipedia : 藤田嗣治
Wikipedia : 土門拳
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