asahi.com
アジア版レッドデータ構築へ 環境省、数千種ウェブ掲載

 環境省は、絶滅の恐れがある動植物の情報を集めた「レッドデータブック」のアジア版づくりに乗り出す。アジア14カ国の国際プロジェクトでウェブ上で公開する。各国の税関職員らに対して生物種の判別方法の研修も推進。情報収集と人材育成の両面を強化し、アジア地域の違法な動植物取引に歯止めをかけるのが狙いだ。名古屋市で今月開く生物多様性条約第10回締約国会議(国連地球生きもの会議)で計画を発表する。
 日本は、自国内の絶滅危惧(きぐ)種についてレッドデータブックの整備を進めてきた実績があり、そのノウハウを計画に生かす。
 アジアのウェブ版レッドデータブックには、数千種の動植物が掲載される見通しだ。国際自然保護連合(IUCN)がまとめた世界の絶滅危惧種リストでは知ることのできない、アジア各国の詳しい生物データを盛り込む。情報は英文でまとめ、各国が生物保護の政策づくりにすぐに役立てられるようにする。
 絶滅の恐れがある動植物の国ごとの詳細な分布や個体数、法規制や保護の状況について、踏み込んだ記述をする方針だ。まずトラやアジアゾウ、オランウータンなどを含む哺乳(ほにゅう)類と希少植物について、来春にもウェブ公開を始める。
 環境省は、ウェブ版に参加する各国の研究者や政府機関から幅広く情報を集めるのに加え、日本から各国へ調査員を派遣し、収録データの充実をはかる。
 今回の国際プロジェクトには日中韓のほか、タイ、フィリピン、ミャンマー(ビルマ)、マレーシア、インドネシアなどが参加。日本はウェブサイトづくりや研修など一連の事業に、年間約1億円を資金援助する方針だ。
 違法取引の監視にあたる税関職員が動植物の種類を判別する能力を高める必要があるとして、マレーシアやベトナムで税関職員らを対象にした研修会を開催。さらに、マレーシアやインドネシアでは、若手研究者向けに、サンゴや植物の分類手法についての研修会も開く。
 環境省は「アジア地域には、生物多様性が豊かな一方で、自国内の生物について情報の収集や研究が進んでいない国々が多い。一連の事業で情報の蓄積と人材の育成をすすめることで、アジアの生物多様性についての正確な評価につなげたい」としている。

Wikipedia : レッドデータブック
日本のレッドデータ検索システム
COP10支援実行委員会 公式ウェブサイト:トップページ
IUCN – Home
IUCN日本委員会